エンディングノートをご存じでしょうか。
終わりを意味するエンディングと文房具のノートを組み合わせた言葉であり、法律上定められた言葉ではありません。
このエンディングノートに法律上の効果はありませんが、相続の手続や遺品整理を円滑に進めるために作成するべきと考えています。
エンディングノートは定型の書式がないため、自由に書くことができます。
記載するノートも自由です。
市販や無料配布のエンディングノートにある記載項目は、ご自身の情報や周りの人への思い、病院や介護に関する情報、財産、葬儀の希望など様々です。
相続の手続や遺品整理を円滑に進めるため、財産とデバイスのログイン方法について記載することは非常に重要です。
現在、ネットを介して様々な契約をする方が増えました。
サブスクリプション契約が増えたことにより、契約を解除するまで毎月の支払いが続きます。
また、ネットの銀行口座や証券口座は現物の通帳が存在しないため、遺品整理の際に気が付かない可能性があります。
大事なデータやご家族との写真などをパソコンやスマートフォンに保存していた場合、パスワードがわからなければ、デバイスを開くことができません。
そのため、情報を残す手段としてエンディングノートが非常に有用といえます。
エンディングノートは市販のものから無料でダウンロードできるものなど様々あり、記載するべき項目が整理してあります。
入手したエンディングノートにご自身の情報を書き込むことによって、お亡くなりになった後、相続手続や遺品整理を進めるための重要な情報源にできます。
なお、市販や無料配布のエンディングノートのうち、パソコンやスマートフォンのパスワードを記載する項目が存在しないものがあります。
忘れずにご記載ください。
現在、エンディングノートを無料でダウンロードできる地方自治体が多く存在します。
新潟県内では、三条市、見附市、南魚沼市がホームページ上で無料配布しています。
秋田県秋田市のホームページからダウンロードできるエンディングノートはWeb関連の項目が充実しているため、かなり有用ではないかと考えています。 非常に参考になることから全国の自治体のエンディングノートをご覧になると良いかと思います。
<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2022年2月5日号(vol.265)>
※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。