母校の襷(たすき)
2021年の箱根駅伝は、東京のど真ん中で一位が逆転するという、大変ドラマチックな展開になりました。
東京の大手町から箱根の山を越え、翌日は山から下り、そして大手町のゴールを目指し、全10区間、合計200㎞以上を各校10名が母校の襷を繋いでいきます。
10名の汗が染み込んだ襷をゴールまでしっかりと繋ぐため、各ランナーたちは暑くても寒くても、毎日走り込み、仲間たちとのチームワークを築いていきます。 実際に区間を走行できなかったランナーたちとも、給水や中継地点で心の襷を繋いでいきます。
今年は残念ながら、一本の襷で繋ぐことができなかったチームもありましたが、心の襷はしっかり繋がっていたと思います。
心の襷
母校の襷リレーをお正月からテレビで観た後、財産のリレー、特に「夫婦の間に子どもがいない」方の場合のリレーについて、少し考えてみました。
ご夫婦の間にお子さんがいない場合、亡くなった方からみた相続人は、
□配偶者(夫または妻)
□両親
□両親とも亡くなっていれば兄弟姉妹(以下「きょうだい」と書きます)
□兄弟姉妹で亡くなっている人がいればその子ども
となります。
配偶者は必ず相続人になります。
なお、配偶者も両親も亡くなっている場合は、きょうだい(やその子ども)が相続人になります。
自分の相続人、配偶者の相続人が、具体的に誰にあたるのかをそれぞれ考え、自分が亡くなった後、自分の夫または妻が、自分のきょうだいや甥姪とで話し合っている場面を想像してみてください。
話し合いはスムーズに進むでしょうか。
また、自分の夫または妻が亡くなった後、そのきょうだいや甥姪との間で、財産をどう分けるかについて、仲良く話し合いができそうでしょうか。
そしてあなたが配偶者にしっかりと繋ぎたい財産は何でしょうか。
繋ぐためにはどうしたらよいでしょうか。
たすき掛け遺言
お子さんがいらっしゃらないご夫婦には、お互いが配偶者に対し、「自分の全ての財産を相続させる」という遺言書をつくっておくことをお勧めします。
このような遺言書は、お互いが夫または妻に対して財産を遺すように書き合うことから、「たすき掛け遺言」と呼ばれています。
たすき掛け遺言をつくることにより、遺された配偶者が自分のきょうだいや甥姪たちと話し合う必要がなくなり、配偶者に自分の財産を確実に繋ぐことができます。
なぜなら、きょうだいには「遺留分」が認められていないため、子どものいない夫婦の遺言の内容に、親族が異論を唱える余地が少なくなるからです。
「配偶者に相続させる」と書くだけなら簡単と思われるかもしれませんが、実は少し先を見据え、必要に応じた文言を追加しておかないと、その後親族とのトラブルが生じる可能性があります。
たとえば実家の土地建物などを引き継いでいる方は、いずれ自分の夫や妻の親族らが実家の家屋敷を相続することになっても良いかどうかについて、予めよく考えておく必要があるでしょう。
具体的にどのような文言を入れた方がよいのかについては、弁護士などの専門家に一度ご相談されることをおすめいたします。
自分の思いや引き継いだ財産を、しかるべき人に繋いでいけるよう、また、その手続を円滑に行えるよう、当事務所弁護士が助言し、サポートさせていただきます。また、既に作成された遺言書の診断も承ります。
遺言書に関するご相談は、初回45分無料でお受けいたします。
どうぞお気軽に0120-15-4640までお問い合わせください。
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