よくあるご相談

相続人の一人が遺産の骨董品を処分した。

【Q】遺産分割前に、相続人の一人が遺産の骨董品を処分してしまいました。

母が亡くなりました。
相続人は、私と兄の二人です。

母の遺産には、絵画や掛け軸といった骨董品があります。

兄と遺産分割協議を行った結果、骨董品は私が相続することになり、その内容で遺産分割協議書を作成しました。

 ところが、遺産分割前に、兄が勝手に骨董品を持ち出し、古物商に売却していたことが判明しました。

どうしたらよいでしょうか。

【A】遺産分割は、相続開始時にさかのぼって効力が生じます。

民法では、遺産分割は、相続開始時にさかのぼって効力を生じることとされています(「遡及効(そきゅうこう)」といいます。)。

そのため、遺産分割によって遺産(骨董品)を取得した相続人(ご相談者様)は、遺産を持ち去った相続人(お兄様)に対し、その遺産の返還を求めることができます。


また、その遺産自体の返還が困難な場合には、その遺産の価格に相当する金額を、損害賠償として請求することができます。


しかし、遺産分割の遡及効は、第三者の権利を害することはできないこととされています。

事情を知らない第三者が遺産を取得している場合には、その第三者に返還を求めることはできません。


そのため、骨董品を買い取った古物商が、相続に関して詳細な事情を知らないのであれば、骨董品自体を取り戻すことは難しいと考えられます。

以上により、お兄様から、骨董品の価値分の損害賠償金を受け取る解決方法が考えられます。

この記事の監修者

弁護士 海津 諭

海津 諭
(かいづ さとる)

一新総合法律事務所 
理事/弁護士

出身地:新潟県新潟市 
出身大学:京都大学法科大学院修了
新潟県公害審査委員、新潟県景観審議会委員を務めています。
主な取扱分野は、相続全般(遺言書作成、遺産分割、相続放棄、遺留分請求など)です。そのほか、離婚、金銭問題、その他トラブルなど幅広い分野に精通し、相続・生前対策セミナーの講師を多数務めた実績があります。
また、『月刊キャレル』(出版:新潟日報事業社)に掲載のコーナー「法律相談室」に不定期で寄稿しており、身近な法律の疑問についてわかりやすく解説しています。


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