【事案の概要】
依頼者の祖父(被相続人)は、10年以上前に死亡しましたが、相続手続きが未了になっていました。
依頼者の父(被相続人の子)は、既に亡くなっていました。
依頼者は、最近になって、代襲相続人として、被相続人の財産を相続する立場にあることを知りました。
しかし、被相続人の財産は、山林など売却が困難な財産のみで、固定資産税の負担のみが求められる負の財産になっていました。
依頼者は、相続放棄を希望しました。
【解決】
依頼者は、今まで被相続人の財産を認識しておらず、処分したり、取得したことは一切ありませんでした。
そのため、家庭裁判所に相続放棄申述申立てをしたところ、相続放棄が受理されました。
【弁護士による解説】
相続放棄は、相続開始を知ったときから3か月の熟慮期間内に行う必要があります。
今回の場合、被相続人が死亡して、依頼者は、代襲相続人になっていますので、3か月の熟慮期間は経過していました。
しかし、最高裁昭和59年4月27日判決では、熟慮期間は、相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識したとき、または、通常これを認識しうるべきときを起算とするとの判断しています。
今回の事件は、依頼者が、被相続人の死亡は知っていたものの、疎遠だったために、財産や負債を全く認識しておらず、それを認識したときから3か月以内だったので、相続放棄が受理されました。
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