
わが国では高齢化とともに、家族や親族とのつながりが希薄になるケースが増えています。
そのような中で注目を集めているのが「死後事務委任契約」です。
これは、あなたご自身が亡くなった後の手続きや整理を、生前に信頼できる人に託す契約です。
なぜ今、注目されているのか?
〇単身世帯の増加:
生涯未婚者、配偶者に先立たれ子どもがいない高齢者など、親族がいない、または疎遠になっている人が増えてきている。
〇孤独死への懸念:
発見の遅れや遺体の引き取り問題が社会問題化している。
〇デジタル化社会:
本人が亡くなった後、遺族がアクセスできないオンラインアカウントが増え、デジタル遺品の整理が課題になっている。
こうした現代社会の変化が、死後事務委任契約の必要性を高めています。
死後事務とは何か?
「死後事務」には、例えば以下のようなものがあります。
・火葬・葬儀・埋葬の手配
・病院や施設への支払いや各種手続き
・公共料金や賃貸契約の解約
・クレジットカード・携帯電話などの解約
・SNS・メールアカウントの削除(デジタル遺品)
これまではこれらの手続を遺族や親族が担うのが一般的でしたが、近年では「家族に迷惑をかけたくない」「頼れる人がいない」という理由から、第三者に委任するケースが増えてきました。
死後事務委任契約の役割
死後事務委任契約は、生前に「自分が亡くなったら、この人にこれらの事務手続きをお願いする」という意思を、「契約」という形で明確にするものです。
主に個人と委任を受ける人(知人、弁護士、司法書士、終活支援団体など)の間で交わされます。
これは「遺言書」とは異なり、遺産分割や相続に関することではなく、死後の「実務」的な処理が対象となっており、内容は多岐にわたります。
死後事務を誰かに依頼するには?
1. 契約相手を決める
まず、あなたが信頼できる個人や弁護士、司法書士、終活支援団体などを選びます。
2. 内容を明確にする
葬儀の形式や連絡先、遺品の取り扱いなどのあなたの希望を、契約相手と相談しながら具体的に文書にします。
3. 費用を準備する
契約相手に対し、生前に葬儀費用や事務手数料を預けることが一般的です。
※法的効力を高めるため、契約を公正証書にすることもあります。
死後事務委任契約の注意点
死後事務委任契約を検討するにあたり、注意すべき点がいくつかあります。
①本人の意思と十分な判断能力
死後事務委任契約は、「契約者本人」が「存命中」に「意思能力がある状態」で締結される必要があります。
死後事務委任契約は、家族が契約するのではなく、あくまでもご本人がご自分の意思で契約するものです。
また、認知症などで意思能力が不十分な状態で締結した契約は、死後に有効な契約と認められない可能性がありますので注意が必要です。
②死後事務委任契約では死後の財産分配方法を決めることはできない
死後事務委任契約は、あくまで「死後の事務手続き」を委任するものです。
相続に関する指示(誰に何を相続させるか)は、「遺言書」で指定する必要があります。
③法定相続人の権利を無視すること
契約によって、法定相続人の権利を侵害することはできません。
たとえば、相続財産を処分する権限を受任者に与えても、それが法定相続人の遺留分(最低限の取り分)を侵す場合、無効になる可能性があります。
④生前の介護・医療に関する意思決定
当然ながら死後事務委任契約はご本人が亡くなった後に、様々な手続を行うための契約です。
よって、生前の介護・治療方針・延命措置の希望などは対象外となります。
介護や医療について意思表示をしておきたい場合は、「任意後見契約」「尊厳死宣言」などの制度を利用しましょう。
⑤相続放棄や限定承認の手続き
受任者には、相続人としての法的手続き(相続放棄や限定承認)を代行することはできません。
これらは、相続人本人が行う必要があります。
⑥不動産の名義変更(登記)
不動産の登記変更は「相続人」の申請によって行われます。
死後事務受任者は基本的に登記変更を直接行うことはできません。
不動産をお持ちの場合は、死後事務委任契約と合わせて遺言書を作成することをおすすめします。
以上から、あなたが希望する死後事務を誰かに履行してもらうには、その誰かには専門知識や経験が必要であることがおわかりいただけたかと思います。
近しい親族がいらっしゃらない場合は、第三者である専門家に依頼されることをおすすめします。

一新総合法律事務所と「死後事務委任契約」を締結する5つのメリット
① 法律の専門家として、安心して任せられる
死後事務には、行政手続きや契約の解除、相続人とのやり取りなど、法律的な知識が必要な場面も少なくありません。
弁護士は、法律の専門知識を持ち、遺言や相続、契約に精通していますので、相続人や関係者とのトラブルを避けることが可能です。
また、死後事務委任契約は、法人である一新総合法律事務所との間で締結します。
これは弁護士個人との契約とは異なり、死亡等による不履行の心配がなく、契約時の担当弁護士・スタッフ以外でも継続的な対応が可能となりますので、どうぞ安心してお任せください。
② 相続人や親族との交渉・調整にも対応可能
死後事務の中では、親族や相続人とのやり取りが必要になる場合があります。
例えば、遺品整理や納骨の方針などで意見が分かれることもあります。
一新総合法律事務所との間で死後事務委任契約を結び、一新総合法律事務所が中立・公平な立場で調整役を担うことで、親族間の感情的な対立を回避することができます。
③ 公正証書作成や遺言との連携もスムーズ
死後事務委任契約を公正証書として作成する場合、一新総合法律事務所がその内容の確認や素案を作成することができます。
また、「遺言書」と連動した死後事務契約を作成し、死後事務と遺言執行を一新総合法律事務所に依頼することによって、あなたの「遺産の分け方+死後の実務処理」まで一括で行うことが可能になります。
④ 財産管理と併用することで安心感
また、生前の財産管理について、一新総合法律事務所との間で「財産管理契約」や「任意後見契約」を締結し、さらに死後事務委任契約に関わる費用を、あらかじめ弁護士に預託することがあります。
一新総合法律事務所はあなたの財産管理に誠実に対応し、確実にお預かりいたします。
⑤ 一人暮らし・身寄りがいない方にとって心強い存在
家族や親族がいない、または頼れない方の場合でも、一新総合法律事務所と契約しておけば、死亡後の諸手続きをスムーズに進めることができます。
誰にも迷惑をかけたくない、最期まで自分らしく過ごしたいというあなたにとって、一新総合法律事務所は心強い存在となります。
このように、一新総合法律事務所と死後事務委任契約を取り交わすことは、「費用より安心を重視したい」「法的トラブルを避けたい」「死後のことを一括で任せたい」と考えるあなたに、おすすめの選択肢です。
一新総合法律事務所と死後事務委任契約を締結する場合の流れと費用
①相談受付
もしあなたに頼れるご親族がいらっしゃらないなど、死後事務についての不安を感じられましたら、まず、一新総合法律事務所(0120-15-4640)にお電話ください。
漠然とした不安、お悩みでも構いません。
スタッフがご来所希望日時等をお聞きし、弁護士の日程と調整した上で、相談日時を決定します。
②相談
最寄りの一新総合法律事務所の事務所にご来所いただき、弁護士と面談していただきます。
弁護士があなたの不安や想い、死後に執り行ってもらいたいことなどを、じっくり・丁寧にお聴きします。
相談料は初回45分無料で承りますので、どうぞお気軽にご相談ください。
③委任契約
一新総合法律事務所の弁護士とお話をされた後、一新総合法律事務所に死後事務を任せたいと思われましたら、一新総合法律事務所との間で、委任契約を締結します。
こちらの委任契約は、死後事務委任契約書の作成を一新総合法律事務所に依頼するための契約になります。
④弁護士費用の支払
③の委任契約書では、ご依頼頂く内容と弁護士費用を決定します。
※公正証書を作成する場合は、公証役場に納める実費を別途ご負担いただきます。
⑤打ち合わせ
あなたの死後事務についての不安やご希望などを、一新総合法律事務所所属弁護士との間で何度か打ち合わせをしながら決めていきます。
原則的にはご来所いただき、弁護士と面談で打ち合わせを行いますが、電話や文書での確認も並行して行う場合もあります。
もしご家族やご親族、または関係者ご同席での打ち合わせを希望される場合は、事前にご連絡ください。
※打ち合わせ毎に費用をいただくことはありません。
⑥死後事務委任契約書の締結
打ち合わせ後、一新総合法律事務所に依頼したい死後事務の内容が決定しましたら、担当弁護士が死後事務委任契約書の素案を作成いたします。
死後事務委任契約書を公正証書にする場合は、最寄りの公証役場に出向いていただきます。
その際、証人が2名必要になりますが、担当弁護士と一新総合法律事務所のスタッフが証人となりますので、ご安心ください。
※証人出頭費用は別途いただきません。
なお、契約後にお考えや状況が変わった場合、契約内容を変更することも可能です。
その場合は、どうぞご遠慮なくお申し出ください。
⑦死後事務履行のための費用の預託
お預かりする費用の内訳としては、葬儀代金、納骨関係、永代供養や墓じまい、遺品整理、各種支払(医療費や施設費用等)、死後事務報酬などになります。
協議の上、概算額を一新総合法律事務所がお預かりいたします。
また、死後事務完了後に残った費用は相続人などに返還いたします。
⑧契約の発効(お亡くなりになったとき)
死後事務委任者であるあなたがお亡くなりになった後、一新総合法律事務所があなたとの間で締結した死後事務委任契約の事務を確実に遂行します。
⑨死後事務の終了
一新総合法律事務所があなたとの死後事務委任契約に書かれた全ての事務を完了いたしましたら、生前にあなたとの間で取り決めた「死後事務報酬」を、預託金またはあなたの財産から受領します。
もしどなたかに、あなたの死後事務の完了報告を希望する場合は、死後事務委任契約書に明記いたします。
最後に
「死後のことなんて今から考えたくない」と感じておられる方は多いかもしれません。
しかしながら現代において“終活”は、自分のためだけでなく、周囲の人々への思いやりでもあります。死後事務委任契約は、そんな思いを形にする一つの手段です。
生きているうちに、自分の最後についてしっかり考え、備えておくことは、人生をよりよく、そして安心して過ごすための大切な準備といえます。
死後に対し漠然とした不安を抱いてはいるけれど、何から考えたらよいのかわからない、という方でも大丈夫です。
まずは誰かに話すことから始めてみませんか。
あなたのお話を、一新総合法律事務所の弁護士・スタッフがしっかり・じっくりお聴きします。
死後事務や遺言のご相談は、初回45分無料で承ります。
どうぞお気軽にお電話ください。
